親と歩く28 平均年齢70歳・・こども歴史文化館に赴く

2014年1月30日

今月は福井の家からほど近いこども歴史文化館に行きました。

 

福井の1月は例年雪景色ですが、今年の積雪量平年の半分とのことで、山には白いものが見えますが、家の周囲はいつも通りの風景です。

しかし、福井の天気はわからないということで、遠出は避けることにし、数日前に両親の二つの選択肢を示しました。結果は、母親の希望で、姉が最近行ったという、こども歴史文化館で行われている冬の特集展示「ふくいの人と石の歴史」を観に行くことになりました。

 

この施設は、私が通った福井市立成和中学校から直ぐの場所にあり、以前は、図書館だったところです。

近い場所ということから、いつもの行きがけのゴタゴタはありませんでしたが、それはそれで、何となくつまらないものです。

 

受付で入館料を支払おうとしたところ何と無料とのこと・・子供の施設ならではですが、逆に、内容が乏しいか・・と連想したのも事実です。

2Fは古代から歴史を追って福井にゆかりのある人を紹介するコーナー、3Fは福井にゆかりのある南部陽一郎氏、白川静氏をメインに、現在の福井の達人(物づくりから、文学、スポーツまで)を紹介するコーナーです。

目的の特集展示は、3Fで実施と聞き、まずは、そこから見学を開始です。

 

いつものように別に分かれて、それぞれのペースで見て回り始めしたが、早速事件が起きました。

2人が見当たらないので、フロアを探していると、子供が勉強する図書室で本を見ています。入口には、「靴を脱いでください」との表示があるのですが、周囲に脱いだ靴は見当たりません。もしやと思い、声をかけると・・2人とも靴を履いたまま入り込んでいました・・

「子供でも靴を脱ぐのに何してるの」と聞くと、父親は急いで靴を脱ぎ始めましたが、母親はそのまま出てきて、「靴を脱いでなどと書いてない」と言い張るので、表示を指さすと、「小さすぎて見えない」と、あくまで言い張ります。

今どきの子供は、こんなことは言いませんが、昔の子供なら・・歳をとると子供に帰るということなのでしょう。

文化館の方 申し訳ありませんでした。

 

2人を促して、特集展示の場所に促すと、今度は、父親が、「右手の手袋がない」と言い出します。急いで図書室に行き、しばらくすると両手に手袋をして戻ってきました。私に声をかけられ、あわてて靴を脱いで本をしまい、そこで手袋を忘れたようです。自分で、「歳をとった・・」とため息です。

聞くと、最近、車を運転していて、あやうく他車にぶつかりそうになったとのこと。相手から大声で「危ないだろ」と怒鳴られて、平謝りだったそうです。そろそろ運転も危ないのでしょうが、一方では、車がないと移動できない福井の事情もあり・・難しいところです。

 

さて、特集展示は、2人とも熱心に見て回っていました。学芸員と思われる方に質問をしたりと、60歳の手習いならぬ、80歳の手習いの風情です。

糸魚川の河川で発見されたヒスイの原石(写真)などもあり、小規模ながら、見る価値のある展示と思いました。

その後2人は、その隣の現在の福井の達人のコーナーを熱心に見て歩いていました。「夢はみるもの かなえるもの(五木ひろし氏)」といった達人の言葉~福井のこどもにかける言葉でしょうが、私の子供たちにも見てもらいたいものをありました。

 

しかし、私は、その隣の白川静氏の漢字ワールドに関心が行きました。名前だけは聞いたことがありますが、どういう経歴か、どういう仕事をしたのかは、正直、よく知りませんでした。13歳で福井から大阪に奉公に出て・・最後は、漢字の大家になったという展示をみて驚きました。

「はじめにことばがあった。ことばは神とともにあり、ことばは神であった。 次に文字があった。文字は神とともにあり、文字は神であった。」という著作から引用されている言葉も重みがあり、早速、著作「漢字」をアマゾンで買うことにしました。

このコーナーはよくできており、漢字に関する展示物を集積すれば、十分に、お金のとれる施設になれそうです。

 

2Fのコーナーも、2人で熱心に見て歩き、子供のように興味津々な姿をみると何となく不思議な気がします。

2人とも学歴はなく、尋常小学校卒、新制中学校卒ですが、もし2人が白川氏のように勉学に目覚めていれば・・今の私はなかったかと思うと面白いというか・・縁というものはあるのだなと思います。

 

都合2時間の見学を終えて、いつもの極楽湯に向かいましたが、車中で、無料だから大したことない・・と思った自分を反省したところです。

文化館の方 申し訳ありませんでした。