親と歩く22 若狭瓜割の滝で名水百選を飲む

2013年9月12日

今月は、両親と三方五湖を巡るレインボーライン経由で「名水百選」に選ばれた「瓜割の滝」に行きました。

 

今回の福井滞在は、日曜午後に、姉の介護疲れが目立ってきた義兄と今後のことを相談することで始まりました。

会社に週数日は勤務しますが、その他の時間は、ヘルパーの支援はあるものの、基本的には義兄が姉の面倒を見ています。元々、私以上に手のかかる姉ですので(姉に知られると怒られることは必定ですが)、障碍者となっても基本的なところは変わることはありません。

当初いろいろあった療養生活も、安定した在宅生活に移行しましたが、それも1~2年で行き詰るかな・・と思っていたものの、義兄の頑張りで3年を超えました。しかし、さすがに疲れが目立つようになり、新たな段階を迎えることになりました。

 

義兄との相談を経て、10日には支援体制の再構築の打ち合わせを関係者と終え、間もなく新たな支援プランを姉夫婦に相談することになります。こうした状況で、本日の両親との遠出となりました。

 

前回の龍双が滝の印象が良かったことから、今回も最終目的地は滝~若狭の天徳寺の境内にある「瓜割の滝」です。小さな滝なのですが、1985年に当時の環境庁から「名水百選」に選ばれたという地です。「山あいの岩間から湧き出る清泉で、夏でも水につけておいた瓜が割れるほど冷たい」ことから、滝の名がついたという由来も確認しての訪問です。

 

滝へは直行せず、三方五湖を巡るレインボーラインに寄り道です。車中の両親が、「確か30年以上前に、家族5人で行ったことがある。」と言い出してのルート変更です。

両親の記憶では、当時健在だった祖母をはじめとして、姉と私も含めた全員で行ったとの由。私は記憶はありませんが、姉も私も大学生、両親は今の私と同じような年齢のときですが、当時5人で遠出するのは珍しい出来事だっと思います。きっと私の大学合格を祝ってのことだったのでしょうか・・。先月は、私の家族5人で、琵琶湖の竹生島に行ったあと、この地に、立ち寄ったばかりでしたが、30年後に来ることは、まず、ないでしょう。

山を登る有料道路の車中で、両親は、当時のことを楽しそうに話すのを聞いていると、思わず笑いが出てきます。展望台で一休みをしている最中に、望遠鏡を覗く父親も楽しそうです。母親も見ようとして、思わず台から転落か・・・という一瞬もありましたが、無事、切り抜けて、ほっと一安心でした。

 

時間もあるので、ついでに小浜のエンゼルラインに回りましたが、これは失敗でした。久須夜ケ岳頂上(約600m)から、若狭湾、小浜湾が一望・・のはずなのですが、霞んで何も見えず・・・また、展望駐車場の周囲の手入れが悪く、背の低い両親は、景色を見るのも難しい状態です。こうした点をみるにつけ、福井の観光整備は行き届かないなと思うところです。良いものは多いのですが、点でしかなく、また、その良さを活かす地道な努力が乏しいのが残念なところです。

 

稲刈りが始まる田園地帯を走り、目的の天徳寺に到着です。

名水を持って帰ることができる場所に付設する駐車場に車を停めると、熱風が吹いてきます。昼過ぎの最も暑い時期でしたので、失敗したかと思ったのですが、境内の森林地帯に入ると涼しい風が吹いてきました。20~30mしか離れていないのに、この違いに両親も驚いたようです。

ただ、最近足腰が弱った両親は、少しの坂もきつい感じで歩いています。車中でも、「しばらく車に座っていると、車から降りるときに体が動かない。昨年は、こんなことはなかったが、年をとったものだ。」と、珍しく二人の発言が一致しています。確かに、車の乗り降りに、時間がかかるようになっています。老いるとは、こういうことなのでしょうが

母親は、歩くのが辛くなったのか・・振り返ると、前方から来た若い二人連れに「滝まで、どれくらい」と話しかけています。人の好さそうな男性は、一生懸命説明し、女性はにこやかに笑っていましたが、耳の遠い母親は、あまり理解できなかったようです。それでも、お礼を言って、また歩き出します。階段を上ると、滝音が聞こえてきました。

 

思った以上に小さな滝(写真)ですが、杉林に囲まれ、木漏れ日が射す風景は、先日の豪快な龍双が滝とは、また違った味わいがあります。

20分ほど滝の近くで涼んでいましたが、柄杓があるのを見つけ、水を飲んでみると確かに美味しい味がします。福井は、どこでも水は悪くはないのですが、「名水百選」と知って飲むと、一段と美味しい気がします。もちろん、周りの環境の良さもあるのでしょうが。

両親も同じように冷たい水を飲んで、これを契機に、もと来た道を戻ることに。途中で、各自が思い思いに境内・公園を歩き、馬頭観世音、石仏四国八十八ヶ所などを拝見して、本日の外出は終了です。

 

駐車場に戻ると、父親が一言。「暑い。風呂に行こう。」を合図に、いつもの福井市内の極楽湯に向かいました。

ちなみに、極楽湯では40歳台と思われる女性が、母親の入浴中に倒れたとのこと。見ず知らずの人ですが、軽症であることを祈るばかりです。

倒れた本人はもとより、家族の負担が重いのは、他人事ではありません。