親と歩く19 父親 始めて「萬松山大安禅寺」に詣でる。

2013年6月12日

今月は、両親と福井市内にある「萬松山大安禅寺」に行きました。6月に花菖蒲祭りが開催され、ちょうど見頃に近いとの情報をWEB上で確認してのお詣りです。

 

大安禅寺は、母校福井県立藤島高校の校歌の歌詞「越の三川」~九頭竜川、日野川、足羽川が合流する地にある臨済宗のお寺です。天正2年(1574年)の織田信長公の越前攻略の際、当時、門前市をなすほどに栄えていた「田谷寺」が焼失しましたが、その地に、万治2年(1659年)に、第4代福井藩主松平光通が、福井藩主松平家の永代菩提所として建立されたという由来です。その後、340年間 火災、震災などの難をのがれて、建物は、ほぼ当時のままに現在に残され、2008年には本堂をはじめとする伽藍一体が国の重要文化財に指定されています

 

昼過ぎ、気温が33度近くになっていましたが、自車で家を出て、少し走り大安禅寺に到着すると、風が通るせいか涼しく感じます。 花菖蒲園に入ると、花も咲き、風も吹いて、それなりの風情ですが、昨年、同時期に行った北潟湖畔花菖蒲園に比べれば小規模なものです。

 

庭園のベンチで、しばらく座っていると、父親は「千畳敷」と書かれた看板に従い山に歩き始め、母親は本堂の方角に戻り始めました。 とりあえず、80歳を超えている父親に同行して途中まで行きましたが、運動不足の私は、当然のように息切れし一休み。そこで、江戸時代末期に活躍した福井出身の歌人 橘曙覧の歌碑(写真)を木陰に見つけました。

「たのしみは 朝おきいでて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時」という、1994年の天皇陛下訪米の際に、ホワイトハウスの歓迎式典で クリントン大統領が、今後の日米関係の理想像の例として引用した短歌です。

そう言えば、その昔、「当日まで、花の変化に気がつかないのは、注意力がなさすぎるのでは?」と言ったことがありました・・・

 

さて、私は、その歌碑を傍で少し休んでいましたが、父親は、「もう下に行くか」という言葉とは裏腹に、先に進んで行きます。私は、諦めて、母親のほうに戻りましたが・・・父親は、なかなか戻ってきません。結構な坂でしたので、「転んだか?」と思い、様子を見ようと歩き始めると、大汗をかきながら戻ってきました。

「花菖蒲は、北潟湖に比べれば大したことはないので、千畳敷(松平家の永代菩提所)まで行ってきた。ここには来たことないので、せっかくなので見てきた。なかなか立派だった。」とのこと。危いような気もしますが、もうしばらくは、元気でいられるような気もして、思わず笑ってしまいました。その後、涼しい本堂内を、それぞれ見て回り、母親が甘いもの好きの父親に「酒まんじゅう」を買い与える姿を見て、またも「笑い」です。

 

大安禅寺で、2時間弱の時間を過ごして、恒例の「極楽湯」に向かい、汗を流すことに。

両親には「二人で一人前」と言っていますが、それぞれ、感情が落ち着いているときは、見ているのも面白いもの・・と風呂上がりで思っていたら、交通事故の件で検察庁からの電話・・

嫌な現実に引き戻され、今月のお出かけは終了となりました。