親と歩く17 「越前おおの」の春の五番まつりにお出かけ

2013年4月28日

今月は、両親と、北陸の小京都「越前おおの」で開催されている「春の五番まつり」にお出かけです。

 

大野市は、福井から東へ約30km、人口3.5万人の小都市ですが、江戸時代には大野藩が置かれ、越前福井とは違った文化圏を持っていました。

大野の城下町としての始まりは、織田信長公が越前の一向一揆の討伐のため、天正3年(1575年)に金森長近が美濃から大野への侵攻が起源とのこと。その後、信長公の次男信雄や結城秀康(徳川家康の次男)の子供達、最終的には有力譜代の土井氏にと、歴史上、名の聞こえた家柄が藩主になっています。

 

京都に近く、かつて有力大名が置かれた福井越前国ですが、この地を攻めるとすると、敦賀から北進(羽柴秀吉が柴田勝家を攻めた道)、加賀から南進、それと美濃・高山から西進と三つの道がありますが、大野は、美濃、高山からの守りの拠点になります。当時、こうした交通の要衝として、価値の高い地域だったことが、有力藩主を迎えることになり、また広域の交流で独自の文化を生むことになったのでしょう。

 

今回、出かけた「春の五番まつり」は、城下町として碁盤の目に区画された市内の「五番通り」で、雪が残る山を背景に開催されていました。

通りを封鎖して、出店を出すというスタイルですが、地元のものばかりでなく、美濃、高山の産物が多く置かれています。福井では打ち刃物は「武生」というイメージですが「美濃」のポップが、牛肉は「若狭」というイメージですが「飛騨」のポップがという状況です。

なかには、北海道のホタテを使った店もあり、これに一番の行列ができていました。地元のものは、里芋のコロッケ、里芋のから揚げなどが、個人的には興味をひきましたが、残念ながら、食するには至りませんでした。

そのうち、Cネットのおくえつ事業所で、商品開発でもしてくれたら、試食してみようかと・・・。

 

さて、両親には、そこでだけ使える2,000円の商品券を買って渡し、自由に使ってよいと言うと、二人で楽しげに店をのぞき始めました(写真)。昔、地元の神社で祭りがあると、親から数百円もらって出かけたのと、ちょうど逆の感じですが、いくつになっても、こうした祭事は楽しいのでしょう。

1時間ほど、ぶらぶらしていましたが、地元の日本酒、餅、団子、飛騨牛コロッケ、イカめしなどを買い求めていたようで、気がつくと、多くの袋を下げています。2,000円を大きく超えて買ったようですが、いつもは節約家の二人が、こんなに買うとも思わず、一人笑いです。こうした企画が、お客を集め、財布の紐を緩めるのは、昔も今も変わらないと納得です。

 

その後、買ったものを食べるため、越前大野城の麓にある「柳廼社」という神社(藩主土井利忠公を主神として祭る)の傍らで、簡単な食事です。

20度を超える気温と暖かい日差しの中で、両親は、「遠足みたいだ」と、ご機嫌でした。駐車場から歩く途中で、顔見知りのCネットふくいの職員(綺麗な奥様と可愛いお子さん二人連れ)と偶然に会って話をしたのも、気分がよい理由だったようです。聞くと、両親は、五番まつりの出店で、近所に住む人にも会った様子。知り合いのいないはずの大野で、偶然、知り合いに会って、楽しかったのでしょう。

ちなみに、Cネットの彼とは、2日前に、小浜で遅くまで飲んだばかり・・。今回、偶然会って驚いたのは、当方より彼かもしれません。世間は狭いものです。

 

日向ぼっこがわりに1時間ほど長閑な時間を過ごし、大野城の見学はパスをして、自宅に戻ることに。

都合3時間程度の「お出かけ」でしたが、私にとっては、事実上、初めての大野市内の散策であり、この地に興味をもったところです。

いずれ、時間をとって、あちこち回ってみたいと思わせる町でした。