清明 新しい年度が始まったものの・・世の話題は同じことの繰り返し

2023年4月11日

季節は清明~「清浄明潔」の略語~全てのものが清らかで生き生きとする時期です。
今年の清明は5日でしたが、次の穀雨までの3つの期間(候)は、玄鳥至(燕が渡って来る)、鴻雁北(雁が渡って行く)、虹始見(虹が出始める)と、大きな季節の節目を連想させるものとなっています。

食べ物も、初物が美味しくいただける季節~田舎道を移動すると、旬の筍(写真)などが無人販売所で山積の季節です。

 

ちょうど新しい年度が始まりましたが、3人の子供は、それぞれ長女=転職、次女=婚姻、長男=卒業という人生の節目の年になります。あとから振り返って、よい節目だったと思ってもらいたいものです。
社会的に目を向けると、気になる話題は、「日銀総裁・副総裁人事」「子ども家庭庁発足」「陸上自衛隊ヘリ消息不明」といったところでしょうか。

 

特に、子ども家庭庁発足については、知人が重要なポストに着かれたので、どのようになっていくか・・と、気になるところです。

前哨戦は、統一地方選を意識した政治家の方々の中身のない予算倍増=ばらまき発言で始まりましたが、行政組織ができた以上、理論的に理解できる政策を積み重ねて欲しいと思うのは誰でも同じでしょう。

ただ、表に出ている事項は、児童手当、出産費、保育事業などであり、何十年にもわたり、「縦にしたり」「横にしたり」と政策的な変更を繰り返してきたもの・・結局は大きな成果を出さずに少子化は進行したのですから、本当に少子化に歯止めをかける対策というのであれば、過去の歴史を評価し、新たな政策的な仮説を明確にしたうえで、個別対策の正当性を示して欲しいものです。

これまで足りなかったのは、財源でなく、政策方針の合理性・納得性だと考えるからです。
財源対策・政治対策に終始して、いつの間にか、政策目的そのものが不明瞭になった・・というのが、今の社会保障政策の現実と言っては、言いすぎでしょうか? 新組織が、そのブレイクスルーとなるか、暫くは、今はまだ顔を見ぬ~孫の世代のために注目することにします。

 

一方、「陸上自衛隊ヘリ消息不明」は、1年前の知床遊覧船の行方不明を想起させました。荒れる北の海と穏やかな南の海のイメージの違いはありますが、いずれも同じ海中の捜索事例です。
知床の事故は、途中、荒波で捜索中止の期間もありましたが、遭難から1週間以内で船体は発見されました。一方、陸上自衛隊ヘリは、軍事的な装備を十分に持ったものであり、民間船より早く見つかるものと思っていましたが・・間もなく1週間が過ぎます。
しばらく前までは、敵地の状況を把握して反撃等する体制を整えると威勢のよいことを訴える政治家の方々が目立っていましたが、自分達の兵器の居場所の特定も難しいような状況下について、誰からも目立った発言は聞こえてきません。
マスコミも1年前の知床遊覧船は、捜索だけでなく保有会社の問題まで踏み込んで、あれやこれやと大騒ぎでしたが、今回は一転して静かなものです。こういう時ほど、自衛隊という軍組織の実情について深く知りたいと思うのですが・・政府発表を繰り返すような報道ばかりなのは残念なことです。
これも未来の孫の世代のために、今後の展開を注目することが必要でしょう。足腰の弱い軍組織や軍事的判断の経験のない政治家のレベル向上のないまま、過剰に攻撃的な兵器を持たせることで国のリスクを高めないようにすることが年長者の義務かもしれません。

 

清明という変化の季節に、未来の孫の世代から見て、変えることと、変えないことの判断が大事と思った次第です。

私の父親の世代に、実力の乏しい政府・軍を過剰に信用した結果、大きな被害を与え、被ったことは忘れてはいけません。当時と今と何が違って、何が同じか・・と考えることが大事でしょう。