啓蟄 長男最終学年へ 親の仕事もあと1年

2023年3月6日

季節は啓蟄~冬籠りの虫が這い出るとされる時期です。

24節季は、それぞれ3つの期間(候)に区分されますが、啓蟄は、蟄虫啓戸(冬籠りの虫が出て来る)、桃始笑(桃の花が咲き始める)、菜虫化蝶(青虫が羽化して紋白蝶になる)と、いずれも生物の動きが題材になっている変化の季節です。

 

ちょうど今は「お水取り」で知られる東大寺二月堂の修二会の期間中。奈良時代から続く行事で、春を告げる行事として有名です。先週、それと対になる「お水送り」という行事が福井小浜であり、初めて見てきました。
若狭の神宮寺で採取した霊水は、10日間かけて奈良東大寺二月堂の「若狭井」に届く・・送る福井は「お水送り」、受ける奈良は「お水取り」という関係のものですが、想像以上に、夜の松明行列は壮観でした。1200年以上続く行事・・人口減少の中でも、こうした伝統行事は長く続いて欲しいものです。

 

さて、啓蟄の時期は、日本では、知識・実力を貯めた学生が社会に出る準備を始める時期とも重なります。自動車通勤が必須の福井の自動車学校では、どこも学生で一杯~既に起きている人材不足に少しでも協力できないかと、今年2種免許でも取得しようと思っていますが〜学生の皆さん優先・・始められるのは、まだまだ先のようです。
彼らと同世代の長男は、浪人の時期を経て工芸デザインの学校に進学。本日、最終学年への進級が決まったとの報告がありました。あと1年で親の仕事=学費と生活費の負担が終わりますが、3人の子供の高校卒業以降にかかった費用を概算すると結構な額・・バブル期のように価格が高騰する東京の新築マンションと比較すると半分程度ですが、それでも一応は親の義務を果たし、両親から受けた恩義も返せそうという実感です。

 

長男は、強烈な性格の姉二人の圧力もあり、同居の頃は「平身低頭」のように見えましたが、高校卒業後の一人暮らしや浪人生活の中で、それなりに知恵と実力を身に着けてきたようには思います。

どのような職業を選ぶかは彼次第ですが、今年中には決まるのでしょう。仮に学んだことを活かして「職人」として生きるのであれば、彼にも言ったように、修行として、10年は仕事を続けて欲しいものです。

 

福井の家には、父親の趣味で作った広めの庭があります。子供たちも幼いころに遊んだ場所ですが、ふと見ると、苔むした岩の下から黄色い花が咲き出していました(写真)。
苔むした石は父、小さい花は長男と感じて苦笑い。啓蟄の三候のように、長男も、蟄虫啓戸、桃始笑、菜虫化蝶と飛び立てると良いのですが・・仮に今回飛び立てなくても、まだ23歳。その昔、男は25歳を超えないと人間にならないと2人の娘に言ったことを思えば、まだまだチャンスはあるでしょう。
気長に彼が何を掴むか待つだけです。

 

うまく掴めて、自分に責任を持てる人になったときには、今月、福井の用務向きに購入した車を譲る予定です。彼の好みも反映しての旧車選定でしたが、この企画が実現するのはいつでしょう。
新しい楽しみができました。