親と歩く9 「大国主命」を目指して 宇宙科学博物館に辿り着く

2012年7月31日

今月は、両親と能登半島の根元にある石川県羽咋市に行きました。

目的は、私の趣味を優先して、能登国一宮 気多大社への参拝です。

 

昔から歴史に関心があり、若い時代には全国の主要な神社めぐりをしていたものですが、何となく大国主神を主神として祀る神社に惹かれるものがありました。有名なところでは島根の出雲大社、奈良の大神神社(三輪神宮)、東京の大国魂神社などがありますが、能登の気多大社の主神も大国主命であることがわかり、今回、福井から片道約120km 1.5時間の羽咋市を目指すことにしました。

しかし、神社だけでは両親もつまらないだろうと羽咋市のHPを見ていると、「宇宙科学博物館 コスモアイル羽咋」という施設に行き当たり、神社参拝の前に見学となりました。

 

展示スペース自体は、あまり大きくはありませんが、展示されている機材は、パンフにも書いてあるように、圧倒的なグレードの高さです。

1時間ほどの滞在でしたが、両親も私も 目を引かれたのは、大気圏再突入で燃えた跡が残る旧ソ連の宇宙船の球形の帰還カプセルです。そのほかも、マーキュリー・アポロ・ボイジャー・バイキングなど、私が子供の頃に、TVを通じて知った名前の宇宙船のレプリカがずらりと並んでいます。

掲示されている歴史をみると、ちょうど私が生まれる前後から高校生になるまでの間、米ソ間で、激しい宇宙進出競争があったことがわかります。両親も 約40年前の大阪の万国博覧会に私を連れて行った時の話をはじめ、「月の石や宇宙船があった米ソのパビリオンは数時間待ちで、見たくても見られなかった・・・ ここは それが間近に見られて凄いね・・・」とコメント。最後には、両親はアポロ15号の月面車に乗り、珍しく2ショットでの撮影(写真)となりました。

 

冷戦構造といった政治的な理由もあるのでしょうが、米ソの競争のお蔭で、私の世代は、夢のある子供時代を送れたと感じます。自分の長男も間もなく小学校を卒業しますが、「はやぶさ」などのイベントはあるものの、圧倒的に質や量の面で違いがあるなと施設見学で実感したものです。その意味では私の世代は、子供たちに十分な夢を提供できていないのかもしれないと・・・

後で聞くと、配偶者は、この施設のことを「ローマ法王に米を食べさせた男」という本で読んでいて、いずれ行ってみたいと思っていたとのこと。次の家族での福井への帰省の際には、また行くことになりそうです。

 

宇宙の後は、本来の目的の神社参拝となりましたが、最初のインパクトが強く、大国主命には礼を失するかとは思いますが、印象としては主客転倒の感じです。しかし、命の力を信じ、両親に「ぼけ防止のお守り」なるものを それぞれ提供したところ、父親からは「ぼけたと決めつけられた」と文句を言われ、「ぼけたと思っていれば、病気平癒のお守りを買う。あまりぼけていないと思うから、ぼけ防止だよ」と反論する一幕も。

 

最後は、世界でも3つしかない、渚を車両で走ることができる砂浜の一つである「千里浜なぎさドライブウェイ」を端から端まで約8kmを流して、福井に向かいました。